【旅の目的になるホテル×GMインタビュー】銀座の歴史を物語る。街とゲストがつながるホテル-メルキュール東京銀座

日常から離れ、贅沢な時間を過ごし癒されるだけじゃない。その滞在が自身の感性を磨き、身も心も豊かにするようなホテル。そんな、旅の目的にふさわしいこだわりのホテルの魅力をGM(総支配人)にインタビューし深掘りします。
今回は、2004年から銀座を見守り続けるアコーのホテル「メルキュール東京銀座」の佐々木総支配人にお話を伺ってきました。
▲佐々木 博 氏(Sasaki Hiroshi)プロフィール
メルキュール東京銀座・総支配人。ホテルスクール卒業後、インターンとしてスイス・チューリッヒのホテルで料飲部門に勤務、帰国後、舞浜エリアの外資系ホテルや、都内ホテルで宿泊部門の業務を経て、2004年開業直後のメルキュール東京銀座のチームに加入。同ホテルでの宿泊部門でのキャリアを重ねながら、以降に開業した国内の姉妹ホテルの開業サポートや、ホテルのロイヤリティプログラムの国内普及などに携わる。2014年に姉妹ホテルであるイビス東京新宿で副総支配人として勤務。2019年よりメルキュール東京銀座に戻り総支配人職に。長年、東京エリアでの宿泊シーンをホテル側の目線で見守り続ける。東京都出身。
–メルキュール銀座東京の開業時からいらっしゃると思いますが、改めてご経歴をお伺いできますか?–
佐々木 博 氏(以下、佐々木):このホテルは2004年10月に開業しており、私はそこから約2ヶ月後に入社しました。最初はナイトマネージャーといって、夜間にお客様のお困りごとに対応できるような責任者をしておりましたが、やがて日中の勤務へ動き、宿泊全体のオペレーションを担当しながら経験を積みました。その間に銀座以外のロケーションで開業したメルキュールホテルの開業時のサポートをするなど、自分の勤めるホテル以外での経験にも恵まれました。その後、同グループの「イビス東京新宿」で働きましたが、2019年3月に総支配人としてここに戻ってきました。一度離れはしたものの、合計15年はこのホテルに関わっています!
HafH:メルキュール銀座東京を一番ご存知なのは佐々木さんですね!
佐々木:開業した頃は、国内にアコーのホテルネットワークが今ほど沢山ありませんでした。なので国内のお客様にどのようなホテルかを理解いただくことが容易ではありませんでした。ただ、当時からホテルのデザインに個性があり、私自身もこのホテルが大好きでした。海外のお客様はアコーのホテルをよくご存じな方が多かったですが、当時は日本というロケーションが今ほど注目を浴びる前でしたので国内外のお客様の割合はほぼ同じでした。ホテルは世の中の流れでお迎えするお客様がよく変わります。今はコロナ前に似て海外のお客様も帰ってきてくださっています。銀座に建つホテルも当時は数えられる程度でしたが、今では多くの方々を迎えられるだけの軒数のホテルがありますよね。
–アコーホテルとして多くのブランドを展開していますが、他のブランドと比較すると、メルキュールにはどのような特色や違いがありますか?–
佐々木:当時から、メルキュールはホテルのロケーションや建物にあわせた自由なコンセプトを持っていました。なので土地ごとに異なる特色を配した印象がありましたね。
HafH:確かにそれぞれの土地に根付いた文化や物を反映しているイメージがあります。
佐々木:現在は「ローカルインスパイアードホテル」という、更に明確な個性があるので、ロケーションのストーリーや生活感を反映させるコンセプトがあります。料理や飲み物などで、その土地の個性ある食材やフレーバーに着目したプレゼンテーションを用意しているホテルもあります。
–先程、「海外からのお客様」という言葉が出ましたが、過去と比較して訪れる方の属性も変化しましたか?–
佐々木:以前は銀座での滞在は日本国内のお客様が主でしたが、今は海外のお客様がたくさんお越しになります。銀座の街を歩いていても、海外からの方々でにぎわっていますよね。
HafH:そうですよね。ここは日本なのか?とふと思う時があります。
佐々木:日本には、銀座や東京といった主要な都市だけではなく、多くの観光地や観光資源があり、年々海外からのお客様の注目度は高まってきています。私たちはアコーのホテルを国内の皆様に紹介するだけではなく、海外のお客様に日本を紹介する役割も担っていると感じています。
佐々木:ホテルでは午後にラウンジエリアをアコーの会員の宿泊のお客様に開放しています。私も時にはその場でお客様と交流を図っています。観光や食事やショッピングだけではなく、ホテルのあるローカルにいる人たちと言葉を交わす交流も楽しみの一つと捉えるお客様もおられます。そこで銀座のお話をして差し上げることもありますし、実にプライベートなおしゃべりを一緒になって楽しむこともあります(笑)。そんな中で、私もお客様の関心や泊まりに来てくださった背景を知ることができ、学びになっています。
※現在ラウンジサービスは曜日限定で運営中。
※アコーのロイヤリティプログラム「ALL」会員。入会無料。ホテルでも登録可能。

–メルキュール東京銀座での、おすすめの過ごし方を教えてください!–
佐々木:ホテルのデザインには土地ごとのストーリーが織り込まれています。メルキュール東京銀座は1600年代の江戸時代に銀貨の鋳造所が街の繁栄になったという銀座の起源をもとに館内のデザインが施されています。皆様が街歩きをして、ホテルで過ごして感じたそれぞれのインスピレーションの答え合わせを楽しんでもらえたら嬉しいです。
HafH:街の歴史やストーリーを深く知る機会は貴重ですよね。
佐々木:今の銀座はショッピングやグルメ、流行の発信地として認知されていますが、その背景は江戸時代に貨幣を作る重要な場所から始まり、経済の発展と共に様々な商業・商人が集まってきたということで栄えた街だったと知れば皆様の見方も変わるかもしれませんよね。
佐々木:また我々のホテルブランド名でもあるメルキュールは、ローマ神話に描かれる、商業や旅の神様の名前が由来だとも言いますし、銀座の発展や、銀座に訪れる皆様を見守る隠れた存在なのかなと思うと面白いですよね!
▲ホテル1F エントランスにあるこちらのブランドウォールからも銀貨のインスピレーションを感じられる。
佐々木:銀座はアクセスが非常に便利で、築地、日比谷、新橋などへは徒歩圏内です。周辺の街歩きの楽しみ方についてお聞きになりたいことがあれば、ぜひ私たちに尋ねてください。グローバルなスタッフもおり、彼らも皆様との会話を一生懸命楽しもうとしています。お客様と銀座の楽しみ方や町の歴史を共感しあえる間柄になれたらと願っています。
▲レセプションカウンター
–最後に、メルキュール銀座東京にとってHafHとは?–
佐々木:HafHのユーザー様は、他の方法でホテルに予約をされる皆様とは少し異なるのではと。お出かけのご用事に応じてホテル予約をする方にとっては、他のどのような予約方法でもよいのかもしれませんが、HafHのユーザー様は、ホテルに泊まる目的を果たしたいという方々が多いと想像しております。そのために月額でホテル宿泊に使えるコインを獲得し貯めてくださっている。そのようなユーザー様はきっとホテルに実際に泊まるときの楽しみを、長い期間温め続けてくださっている方が多いのではと思います。私たちにとってお迎えしたいお客様です。とてもシンプルなホテルですが、銀座での素敵な時間を楽しんでいただきたいです。
▲左)佐々木総支配人 右)HafH インタビュアー 井之上
『アコーホテルでのキャリアはここ、メルキュール銀座東京にある』と佐々木総支配人は語ります。ローカルインスパイアードホテルとして、今後も街との結びつきを深め、ホテルや銀座の隠れた魅力を伝える存在で居続けてくれるでしょう。
東京都中央区銀座2-9-4
1650〜1700コイン|定員1〜2名
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